キャブレター清掃とバルブクリアランス調整
2003.10.26
いわゆるタペット調整である。バルブクリアランスが狂っているとパワーが出ない、圧縮が低いなどの症状が出るようだ。パワーが出ない。アーシングを施してもちょっとしか改善しない。ということで、あとは、エンジンかキャブであると考えられる。
バルクリアランスの調整はとても簡単である。しかしいくつか注意点があった。
- 冷寒時に行う。
- バイクを水平に保つ必要がある。サイドスタンド状態ではエンジン下部にたまったエンジンオイルがクランクシャフトホールキャップを外した際にもれ出てくる。
- クリアランス調整には、クランクをまわして圧縮上死点にあわせる必要がある。タイミングホールキャップのTマークでそれを確認するが、4サイクルなので1行程で2度存在するの注意が必要。
1)バイクを水平に設置する。シートとタンクを外す。外さなくてもできるが外した方が作業がらくである。
2)クランク左側のクランクシャフトホールキャップとタイミングホールキャップを外す。エンジンシリンダヘッドのバルブホールキャップを外す。
3)クランクシャフトを反時計方向にまわしタイミングホールからTマーク(Tは横に寝ている)が出るまで注意深くまわす。(Tマークのちょっと前にFマークがある。そのちょっと前に2本線がある)。クランクシャフトをまわしていくと、カムの動作を見ることができる。4サイクルでは、吸気行程と排気行程が一つで1工程となるので、圧縮上死点は吸気動作行われた直後のTマークにあわせるのが正しい。(間違えると正常に調整できない。実はうっかりして間違えてしまい組み付け後に大音量を発生させました)
4)シックネスゲージを用意(カーショップで手に入る)。ゲージで、アジャストねじとサブロッカーアームの隙間を測定。
- 排気側0.12mm精度0.02mm
- 吸気側0.10mm精度0.02mm
にあわせる。ボルトを締め付けた後若干クリアランスがかわってしまうので再度確認する。
5)全てのキャップを行って、終了である。
クリアランスは若干狂っていたようであるが、どれほど狂っていたかは分からない。うっかり間違えて排気上死点で設定したから。ついでに、キャブの清掃も行った。
疑うところはキャブしかない。キャブの取り外しはとても面倒。サービスマニュアルに詳細が記載されているので参考にした方がいい。
サービスマニュアルに記載されている全ての分解清掃項目を行ったが、特にしこりがあるような箇所、動きが悪いところはなかった。若干、ゴミのようなもが付着したりつまっている箇所が見受けられたので、エアガンで清掃を行った。
一点、キャブ上方(シリンダ後方)にサブエアクリーナというものがあるのだが、その中のクリーナースポンジが経年変化でぼろぼろになっていた。原型はとどめていたが、洗浄しようと水につけたら溶けて消滅してしまった。新品を購入する。
パイロットスクリューを規定の標準に戻した。最初の位置を覚えておくようにサービスマニュアルに記載があったが、うっかり忘れてしまった。標準の位置より閉め込んだところであったと思う。本当は標準の位置からアイドリングが最も高くなるように若干調整するのであるが、キャブを組み込んだ状態ではそこに手が入らない上に、スペースが狭く、どんな工具でも回せないのよ。マニュアルには専用工具が掲載されているが・・・
エンジンを始動してみたが、良くなっているように感じられた。
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