フロントフォークオイルの交換(2003.10.5)


DR350のフロントフォークは初代350から使っている物で、一度PROGRESSIVEサスペンションにスプリングを交換して以来、10年ぶりのオイル交換である。最近、コーナーで倒し込む時にハンドリングに不安定さを増大させていた。「カクン」とした感触があり切れ込む感じがする。特に左に倒す時に大いに感じる。過去にスプリング交換した時に油面調整をちゃんとやらなかったかあっていなかったか、それとも永年の酷使で狂ってきたかじゃないかと考えた。

(1)フォークの取り外し

取り外しはとても簡単である。ジャッキアップしトリプルクランプで固定されているネジを緩めるとスポッと外れる。だが、その前にブレーキキャリパーの取り外し、メータケーブルの引き回し取り外しを行っておき、タイヤをはずす。
  フォークの固定ネジをはずす直前にフォークキャップボルト(24mm)を緩めておく必要がある。

(2)フォークオイルの抜き取り

フォークを水平な場所にたてキャップボルトを取り外す。すると、ノーマルであればスプリングとワッシャーが見えるはずだが、PROGRESSIVEの場合は樹脂製のカラーが先である。
 次に、ゆっくりと(そーっと)スプリングを持ち上げ取り外す。早くやるとスプリングについたオイルが飛び散りバッチイ。あとはフォークをさかさまにしてオイルを抜くだけだが、この際メスシリンダに古いオイルを注入し容量を確認すると新しいオイルを入れる時に楽である。(オイル注入量は規定されていない)
 オイルを抜き取る時は、アウターをもってインナーをシコシコやると早く出てくる。

 抜き取ったスプリングである、若干ヘタリが見られるが、再使用しよう。ピッチがつまっている方がBOTTOM側である。いや、DR350サービスマニュアルにはそう書いてある。が、しかし逆に入っていた。PROGRESSIVEの説明書はもう捨ててしまったので分からないが、やはり逆に入れていたんだろう。PROGRESSIVEサスペンションは永久保証を唄った製品であるから再使用しても問題ないだろう。

 キャップボルトと、隠れて見えるのがスプリングワッシャーである。で、樹脂製のパイプがスペーサーである。かなり雑なつくりで、というか、樹脂パイプを切っただけのもの。これを入れないとPRE-LOADが低くなってしまう。つまりスプリング長が足りない。
 ちなみ、最近は写真のようなトレーを使い部品がなくならないようにしている。だんだんとサンメカが板についてきたかな。

 抜き取られたオイルはこのように墨汁のような色をしており、汚くよごれている、また大量のスラッジを含んでいた。新品のオイルには今回、BEL-RAYの#10を選択した。以前PROGRESSIVEに交換した時は、確かKAYABAの#10と#15をブレンドして使用した記憶がある。なお、オイルは左が525cc、右が550cc入っていた。そう、左右違っていた。

(3)オイルの注入

 オイルの注入は、新品のオイルを550cc程度計り左右均等に注入する。この際、サスを傾けて気泡が入らないようにする。サスをフルボトムさせた状態でかつスプリングを挿入せずに、1時間程度放置し気泡がなくなるのをまつ。気泡が多いと正確に油面調整ができない(以前、友人から一晩置いた方が良いとの話を聞いたが本当だろうか?)。フォークオイル量は油面(フォーク最上位からの距離)でのみ規定されている。
 油面調整は専用工具が必要だが、数千円ぐらいするので自作する。注射器があれば簡単なのだが、今回は人間注射器で代用した。

ゴム板(厚さ10mm)に6mmのドリルで垂直に穴をあけ、6mmのアルミパイプを刺す。アルミパイプは突き出し量を金尺で正確に145mm(DR350の油面規定値)にあわせる。一方の先に内径6mmのビニルチューブを接続して、完成である。ビニルチューブの先に注射器をつければ注射器を引く事で実現できるが、この注射器、どこに行っても「売っていない!!」のだ。MOTOメンテという雑誌では東急ハンズにあるとあるが、ホームセンター、薬局等さがして回ったが結局見つけられなかった。

 ゴムを使うのは簡単にパイプを上下できホールドできるから。ゴム板が厚いのは垂直にパイプを設置したいから。

しかたがないので、自分の口でチューブの先を吸って実現した。オイルを口に吸い込まないように、チューブを長めにカットしておく。フォーク上部にセットし吸う事で余分のオイルがチューブの途中まで出てくる。すかさず指でチューブを押さえて排出、これをくり返す。変な味がするが、そう何度もやる事ではないので、大丈夫だろう。

(4)組み立て

 スプリングを、ピッチが狭い方をBOTTOMにゆっくり挿入し、インナーを引っ張りあげ、ワッシャーとスペーサーをセット。キャップボルトを締め付ける。この際軽く締め付けておく、本締めはトリプルクランプに装着した後だ。一応、動作がスムーズであるかどうかをみてからトリプルクランプに装着する。アッパークランプからのフォーク突き出し量はフォークインナー上部に溝が彫ってありそれを基準にする。

(5)試乗

 大分良くなっている感じ。しかし、左に倒し込む時にシコリがあるような感じはまだ若干のこっている。右はそれがない。だけど、DR-Z400に慣れてきたせいか、「こんなに倒れないバイクだったっけ?」と感じる。フロントフォークとは関係ないが、DR350のキャブはやっぱりパンチがあるなぁ。どっかん、がっくん、どっかん、がっくん・・・

いずれにせよ、フォークオイルが原因の一つであった事は事実でそれは改善された。しかし、まだシコリ感が残り、これを次回から追求していく。

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